治療について

小林フックって何?使用する目的や他のフックとの違いは?

更新日:2023/06/14

小林フックとは

小林フック

ワイヤー矯正治療時に使用し、ワイヤーに結び付けるための結紮線(細いワイヤー)の先端にあらかじめ小さなフックがついているものをいいます。

強度が求められるため、通常の結紮線より太いもの(.010〜.014inch)を用いる場合が多いです。
別名「小林タイフック」や見た目が豚のしっぽに似ていることから「ピグテイル」とも呼ばれています。

小林フックを使用する目的は?

主に、「顎間ゴム」を引っ掛ける目的で使用します。顎間ゴムは、矯正装置による歯の移動を補助するように細かいかみ合わせの調整をするために使用します。

ゴムの縮もうとする力を利用し、歯を前に引っぱったり、後ろに引っこめたりしながら、安定したかみ合わせを目指していきます。

小林フックと他のフックの違い

クリンパブルフック

小林フックは、結紮線自体にあらかじめフックが設置されており、ゴムを掛けたい位置に結紮をするだけで顎間ゴム用のフックを設置することができます。

他のフックで代表的なものに「クリンパブルフック」があります。アーチワイヤーの任意の位置にフックを装着し、ワイヤーをエラスティック(パワーチェーン)で引っ張る目的で使用します。抜歯をして矯正治療を行う場合や、歯並びを整えていく段階ですき間が生じた場合に、歯を引き寄せすき間を閉じるために使用されます。クリンパブルフックは小林フックと違い、結紮するのではなく専用のプライヤーを用いて、アーチワイヤーにかしめて装着します。

小林フックを使用するタイミング

小林フックは、顎間ゴムを使用し始めるタイミングで必要になるため、治療の終盤で用いられることが多いです。顎間ゴムを付けることで細かいかみ合わせの調整を行うことができ、より良い治療効果が期待できます。

小林フックは取り外しができないため、ご自身での管理は必要ありませんが、顎間ゴムは患者さんご自身での管理が必要です。

長時間使用するほど効果的なので、食事や歯みがきのとき以外はできるだけ長い時間装着します。患者さんの協力度により治療期間や治療結果が変わりますので、長時間頑張って使用していただくことが大切です。

小林フックが装着された際の注意点

小林フックが装着されると、フックの周りに汚れが溜まりやすくなり、歯ブラシも当てにくくなるため清掃性が劣ります。むし歯や歯周病などのリスクが高まるため、念入りにブラッシングすることが重要です。

さらに、フックが唇の内側の粘膜に当たり痛みが生じてしまう場合もあるため、その場合は我慢せずにすぐに歯科医院に相談しましょう。調整することで痛みが軽減したり、フックをカバーすることで痛みを和らげる対処法などもあります。

顎間ゴムを使用するために小林フックは非常に重要な役割を果たしているため、フックに何か異常を感じたら顎間ゴムの使用をやめ、すぐに歯科医院を受診しましょう。

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カテゴリー: 治療中のお役立ち情報

タグ: 矯正治療の豆知識

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