出っ歯を放置したらどうなる?出っ歯がもたらす危険性
更新日:2022/05/23
出っ歯とは、上の歯列が下の歯列よりも前に突き出た状態のことをいいます。出っ歯に悩まれている方は、特に見た目を気にされているかもしれません。しかし、出っ歯は見た目だけではなく健康面でも問題が出ることもあるのです。では、出っ歯の原因は何なのでしょうか?また、出っ歯を放置したままの場合どのような危険性があるのでしょうか。
目次
なぜ出っ歯になるのか?
出っ歯になる原因として、主に
- 日頃の習慣
- 遺伝
の2つが挙げられます。
日頃の習慣や癖
後天的に出っ歯になるパターンです。生まれた時には歯並びに問題がなくても、日頃の習慣や癖により徐々に出っ歯になってしまう場合があります。
特に
- 指しゃぶりの習慣
- 爪や唇を噛む癖
- 舌を前に出す癖
指しゃぶりや爪、唇を噛む習慣が続くと、上下の顎の前後的な位置関係がずれたり、前歯が前方に傾いてしまう場合があります。
また、無意識のうちに舌で前歯を触ったり押したりする癖があると、長期間に渡り歯を押す力がかかり出っ歯になる可能性が高まると言われています。もし、お子さんにこのような習慣が見られる場合には、なるべく早めに改善させられるといいでしょう。
遺伝
骨格や歯の大きさ、顎の大きさは遺伝の影響を受けやすいです。もし、親御さんが先天的な出っ歯の場合はお子さんも出っ歯になる可能性が高いです。
出っ歯がもたらす悪影響
出っ歯は、本人が気にしていなければ大きな問題は無さそうですが、将来さまざまな悪影響をもたらす場合があります。では、出っ歯はどのような影響をもたらすのでしょうか?
虫歯のリスク
出っ歯の場合、歯が前に出ている事によって口が閉じにくくなります。そのため、常に口が開いたまま呼吸する「口呼吸」の状態になります。口呼吸になると、口の中が乾燥してしまい唾液の分泌も減り、唾液による抗菌作用が少なくなる事で、虫歯のリスクが高まります。
顎関節症のリスク
出っ歯の状態だと、前歯でものを噛み切る事ができずに噛める部分を探し無理に噛み切る癖がついてしまいます。そのような癖は顎に負担をかけ、顎関節症のリスクを高める可能性があります。
前歯や唇を怪我しやすい
転倒や衝突などの不慮の事故が起きた場合、出っ歯の方は歯並びが整っている方に比べ、50%も前歯を怪我するリスクが高いと言われています。事故によって歯が折れてしまうと神経を取る治療をしたり、最悪の場合は抜歯になる場合もあります。特にスポーツをやられている方は、相手にぶつかったりする際に唇を切ってしまう事もありますので最新の注意を払うようにしましょう。
奥歯への負担が大きくなる
出っ歯の方は前歯でものが噛めないため、無意識に奥歯で咀嚼するようになります。本来は前歯が行う役割も奥歯がカバーするため、奥歯への負担が高まります。奥歯を使う頻度が増えるため、奥歯を早期に喪失してしまう場合もあるのです。
出っ歯の治療法
出っ歯を矯正していく場合、抜歯を伴う可能性が高いです。前に出ている歯を後ろに収めていくスペースを確保する必要があるため、抜歯は必須になるかもしれません。出っ歯の度合いにもよりますが、歯を抜かなくても歯並び全体を後ろに下げていく「遠心移動」という動かし方や、歯の両サイドを少しづつ削りスペースを作るストリッピングという方法もあります。ただし、出っ歯を治したい場合は抜歯を選択する事で、より理想的な歯並びを目指せるかもしれません。
お子さんが出っ歯の場合
子供の出っ歯の場合は、まだ成長過程なので抜歯をせずに顎の骨にアプローチする治療法で出っ歯を改善させる事ができます。子供の出っ歯で多いのは、上の歯が前に出ているだけではなく、下顎の成長が遅れてしまっているケースです。その場合は、バイオネーター(機能的矯正装置)という装置で治療していきます。バイオネーターは筋肉の動きを利用し、下顎の骨の成長を前方へ促すための装置です。取り外しが可能で、主に就寝時に着用しますのでお子さんも無理なく使用できます。
気づいたら早めに治療を
出っ歯を放置したままにすると、悪影響を及ぼしてしまう場合があります。お子さんの場合は悪い癖や習慣により後天的に出っ歯になってしまう可能性がありますので、癖などに気づいたら早めに改善させるようにしましょう。出っ歯を矯正する事は、見た目だけでなく機能的な改善にも繋がります。もし出っ歯で悩まれている方は、早めに歯医者に相談される事をおすすめします。
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