なぜ?八重歯って、上だけにある?
更新日:2023/09/20
目次
なぜ、八重歯は上だけにある?
上顎に八重歯がなりやすい理由は、下顎よりも上顎の方が歯の生えるスペースが狭いこと、さらに、下の歯よりも上の歯の方が歯のサイズが大きいことが原因と考えられます。
また、上顎の前歯付近に通常の本数よりも多く形成された「過剰歯」がある場合も八重歯になってしまう要因と言われています。他にも、口呼吸によって上顎の成長が妨げられてしまうことも八重歯の原因の一つと考えられます。
歯の本数が多かったり、歯が並ぶスペースが無いと犬歯が前に押し出され、八重歯になってしまいます。
なぜ、八重歯は犬歯がなりやすい?
犬歯(前から3番目の歯)が八重歯になりやすい理由は、犬歯の生えるタイミングが関係しています。
犬歯の隣に生える側切歯(前から2番目の歯)や第一小臼歯(前から4番目の歯)は、犬歯より先に生えてくるのが一般的です。
顎が小さく先に生えた歯によって歯ぐきのスペースが埋まってしまうと、後から生えてくる犬歯は間に入り込めないため、歯列から外れて飛び出し、八重歯になります。
八重歯を放置するとどうなる?
むし歯や歯周病になりやすい
八重歯に限らず、歯がデコボコしている部分は食べカスが溜まりやすく、歯ブラシも当てにくいため、むし歯や歯周病の原因となるプラークが停滞しやすいです。そのため、八重歯がある部分はむし歯や歯周病になるリスクが高まります。
かみ合わせが悪くなる
八重歯のように犬歯が飛び出してしまっていると「犬歯誘導」が行えず、かみ合わせが悪くなってしまう場合があります。犬歯誘導とは、カチッと噛んで横に顎を滑らせた時に犬歯だけがぶつかり、奥歯に隙間ができるかみ合わせのことを言います。
犬歯誘導が行える状態が、安定した良いかみ合せの大切な要因になります。
歯ぐきが下がってしまう
歯ぐきはとてもデリケートな組織なため、歯ブラシが強く当たるとだんだんと歯ぐきが下がる「歯肉退縮」が生じてしまいます。八重歯は生える位置関係上、歯ブラシが強く当たりやすいため、歯肉退縮が生じやすいです。歯肉が退縮すると歯の根っこが露出し、むし歯や知覚過敏などのさまざまな歯のトラブルを引き起こしやすくなります。
八重歯の治療法
八重歯は歯科矯正治療で治すことができます。矯正装置は最も標準的なワイヤー矯正装置から、見えにくい舌側矯正装置、透明なマウスピース型矯正装置など、現在はさまざまな装置での治療が可能です。患者さんの口腔内の状況やライフスタイルなどによって治療法は変わりますが、八重歯が気になる方は一度歯科医院で相談してみましょう。八重歯や叢生の度合いが重度の方は、抜歯をしてスペースを確保して、矯正治療を行う可能性もあります。
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