自分は部分矯正できる?メリットとデメリットは?
更新日:2022/06/28
歯列矯正について調べていくと部分矯正というワードに当たるかと思います。
費用や期間の短さからも、通常の全顎矯正よりもハードルが低く感じられ身近に感じることがあるかもししれません。
確かに部分矯正は挑戦しやすいイメージがあるかもしれませんが、部分矯正にもデメリット存在します。
目次
部分矯正とは

すきっ歯

叢生(歯の重なり)
歯列矯正には部分矯正と全顎矯正があり、部分矯正とは気になる箇所のみの歯列矯正を行うことを指します。
例えば、少しの前歯の重なりを治したい、すきっ歯を閉じたいなど部分的な歯並びを整えます。
全顎矯正はすべての歯が整うように歯列矯正を行います。
全顎矯正との違い
全顎矯正の場合は、全ての歯の並びを整えるほかに上下の噛み合わせも整えることができます。
元の歯並び次第ではありますが全顎矯正によってしっかり噛める、歯磨きがしやすくなる、肩こりが良くなったなど審美的なメリット以外にも健康面のメリットも得ることが期待できます。
部分矯正のメリット
費用が抑えられる
歯列矯正を行う範囲が抑えられることから、費用も抑えることができます。
全顎矯正の1/3の程度で症例にもよりますが、おおよそ30~50万円程度です。
期間が短い
部分的な歯列矯正なので、期間も短縮され数カ月から1年程度です。
全顎矯正は2~3年ほどかかるので、それに比べると短期間と言えそうです。
部分矯正のデメリット
適応できない場合がある
部分矯正は軽度な症例の場合に適応することができます。
重度な歯列不正の場合では対応できない可能性があるのです。
歯を動かすスペースが足りない場合
歯の凸凹が強い場合は、歯がうわっている顎の骨(歯槽骨)に収まりきっていないことが多いです。
そのため、歯列矯正では歯を動かすスペースを確保するために抜歯やIPRといった歯のエナメル質のみを少量削る処置が必要になってきます。
ですが、削る量にも限界があるのでスペースの確保ができない場合は部分矯正をすることができません。
部分矯正とはいえスペースが足りなければ他の歯にも影響があります。
また抜歯が必要なほど移動スペースが必要ならば、歯並びとともに上下の噛み合わせをしっかり治す全顎矯正が最適となります。
不正咬合がある場合
上顎前突や下顎前突、開咬、過蓋咬合など明らかに噛み合わせに問題が生じている場合にも部分矯正はお勧めできません。
これらは部分矯正だけでは改善が見込めないのです。
全体矯正でならば治療が可能であり、骨格の問題が関与している可能性があれば外科矯正も視野に入ります。
噛み合わせは治せない
部分的な矯正になるので、上下の噛み合わせを整えることはできません。
また無理な部分矯正によっては、意図的ではなくとも噛み合わせに影響が出る可能性があります。
大前提として、歯並びが乱れているということは噛み合わせも乱れている可能性が高いということを念頭に置いておく必要があるかと思います。
部分矯正が向いている人

- 早く歯列矯正を終わらせたい
- 費用を抑えたい
- 見えるところ、気になるところだけを治したい
- 歯列不正が軽度である
部分矯正が向かない人

- すべての歯の並びを整えたい(歯列矯正後の美しさの完成度を求める)
- 上下がしっかり噛み合うことでの機能性の向上も期待している
- 部分矯正では対応できない歯列不正がある人
部分矯正の種類
部分矯正は全顎矯正と同様の処置内容が選べます。
ワイヤー矯正(表側、裏側)、マウスピース矯正など医師の診断のもと選択をしましょう。
まとめ

部分矯正は「早い」「安い」と、とても魅力的に見えますが適応症となるのはごく僅かです。
また自分の歯の一部分だけを見てここを治せば見た目が良くなるはずと考えることがあるかもしれませんが、気になっている部分以外の歯の機能にも影響があります。
またその箇所だけを治しただけでは、納得のいく結果が得られるとは限りません。
歯列矯正をするにあたって必要なことは「早い」「安い」ということ以外に大切なことがたくさんあると思います。
せっかくお金を払い歯列矯正をするのならば、後悔しないようにしたいですよね。
そのためには自分の歯並びを整えるのには、部分矯正と全顎矯正どちらが適しているのかを知る必要があります。
この判断は患者様自身ができるものではないので、歯科医院で行っている矯正相談を利用し歯科医師にしっかり相談しましょう。
そのうで、部分矯正が自分の求めているものであれば「あのときに全顎矯正をしていれば‥」と悔やむこともありません。
大切な自分の身体、自分にとっての最良の選択をしたいですね。
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