知っておきたい!食事と歯並びの深い関わり
更新日:2021/05/26
食事と歯並びには深い関連性があることをご存知でしょうか?
近年では、食の欧米化によって、やわらかい食べものを口にする機会が多くなり、食事の際に噛む回数が自然と減っています。
とくに乳児期・小児期のお子さんの食生活は、その後の歯並びや噛み合わせに大きな影響を与えるため、食べもの・咀嚼と歯並び・噛み合わせの関わりについて、あらかじめ親御さんが正しい知識を持っておくことが大切です。
重要ポイント!よく噛んで食べる
歯の正常な成長、あごの適切な発達のためには、食事の際によく噛んでから咀嚼することが重要です。
歯並びは外的な力による可塑性があり、その形成には、生まれもった遺伝的な形質以上に後天的な生活習慣が大きな影響を与えます。
あごが鍛えられないと、永久歯の発達段階において、歯が生えるのに必要なスペースを確保することができず、結果として歯並び・噛み合わせの歪みが生じやすくなります。
そのため、あご骨の成長期間にあたる幼少期から青年期において、ある程度固いものをしっかりとよく噛んで咀嚼する習慣を身につけておくことが大切です。
まだ遅くない!
大人になってからも大切な歯並び
若いころによく噛む習慣がなかったために、歯並びが乱れてしまった大人の方も少なくないことでしょう。
しかしながら、ご安心ください。歯並びは成人してからも歯列矯正によって改善することが可能です。
歯並びが悪いと、食事後の歯の隙間にプラーク(歯垢)がたまりやすく、おのずと歯周病や虫歯の発生リスクが高まります。
歯ブラシが歯列に届きづらく、磨き忘れが起こりやすいこともその要因になります。
目地の大きなタイルが貼られた浴室や、トイレの掃除を想像していただけるとイメージが掴みやすいかもしれません。
反対に歯並びが良いと、食事をしても歯の隙間に食べかすがたまりづらいため、プラーク(歯垢)や歯石のないクリーンな口内環境を保ちやすくなります。
また、噛み合わせも良好なため、噛む効率が高まり、あごや消化器への負担が軽減されます。
固さで食材を取捨選択することもないので、自然と栄養バランスが整う相乗効果も見過ごせないメリットです。
いずれにせよ、食生活の基本は、年齢に関係なくさまざまな食べ物を選り好みせず、十分によく噛んで食べること。
歯周病や虫歯は万病の元とも言われていますので、より良い歯並びで日々の食事をとることがなにより肝心です。
歯並びのわるさを自覚されている方は、なるべく早い段階で歯科医に相談するよう心がけると良いでしょう。
歯を強く!オススメ食品をご紹介
上述したように、よく噛んでから咀嚼することには健康上さまざまなメリットがあります。
入れ歯や歯周病、矯正治療などにより食事制限を行われている方もいらっしゃるかもしれませんが、ここでは、参考までにより良い歯並びと噛み合わせの形成のためにオススメの食材をいくつかご紹介します。
【ビタミンAを多く含むもの】
にんじん、パセリ、海苔、わかめなど
【ビタミンCを多く含むもの】
みかん、レモン、キウイなどの果物類
ブロッコリー、カリフラワー、ピーマンなど
【カルシウムを多く含むもの】
牛乳、チーズ、ヨーグルト(無糖)などの乳製品
煮干し、昆布、わかめ、スルメなどの干物
【食物繊維を多く含むもの】
玄米、たけのこ、レンコン、にんじん、ごぼう、レタス、セロリなど
(ポイント)
ビタミンA、ビタミンC、カルシウムは歯や骨の成長のために必要不可欠な栄養素であり、これらを多く含む食品は、歯並びを整える効果があります。
「直接掃除性食品」とも呼ばれる食物繊維には、歯に付着した食べかすを掃除する効能があり、歯の健康にとって非常に重要です。
上には記載していませんが、魚類、牛レバー、キノコ類などのビタミンD含有量の多い食品には、カルシウムの吸収を助ける作用があるので、あわせて摂取するとより効果的です。
なお、お子さんのあごを鍛えるオヤツとしては、堅パン・ガム・繊維入りのグミなどがオススメです。
また、喫煙者の方は、欠乏している傾向が高いビタミンC食材を日頃から意識して口にされるとよいでしょう。
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