歯列矯正で抜歯が必要な4つのケース
更新日:2021/11/04
患者さんが、なるべく歯を残したいと思うのは当然のことです。
矯正医もまた、出来る限り抜歯をせずに治療が完了するように心がけていますか、どうしても抜歯が避けられない症例があることも事実です。
くわえ、医師によって抜歯の判断が分かれるような難しいケースでは、セカンドオピニオンを積極的に活用することも大切です。
そこで本記事では、矯正治療において抜歯が必要になることの多い歯並びのケースについて分かりやすくご紹介いたします。
これから矯正治療をスタートする方、抜歯が必要と歯科医から説明された方には、とくに役立つ情報になっていますので、ぜひチェックしてみて下さいね。
目次
なぜ必要?矯正治療で抜歯をするわけ
矯正治療でなぜ抜歯が必要となるのか?
そのいちばん大きな理由は、歯を並べるスペースを確保するためです。
歯を並べるスペースがないのに歯を抜かずに治療をした場合に発生するトラブルは、満員電車の乗り降りを想像していただくとイメージが掴みやすいかもしれません。
無理に乗車しようとしても駅のホームに押し出されてしまうことがあるように、スペースのない状態で強引に矯正治療を行うと密集状態に耐えられず一部の歯が前方に突出するリスクが高まります。
きれいな口元を目指して治療をスタートさせたにも関わらず、口元の見栄えが望むものではなくなってしまった…。
そんな治療トラブルを回避するためにも、どうしても抜歯治療が必要となるケースがあることを事前に把握しておくことが大切です。
抜歯が必要となる4つのケース
では、矯正治療で抜歯が必要となるのは具体的にどういった場合なのでしょうか?
歯の大きさ、顎の大きさ、口元、お口の状態などの条件は、患者さんによってそれぞれ異なります。
どのクリニックでも「歯を抜かない治療」が基本プランとはなっていますが、以下の四つのケースでは、抜歯が必要となる可能性が高くなってます。
1.歯の大きさに比べて顎が小さい
歯の大きさに対して顎が狭いケースでは、歯が並ぶスペースが足りないため、不揃いでガタガタな歯並びになってしまいます。
前歯が前に飛び出したり、歯茎が下がるリスクもあるため、このような症例では小臼歯を抜歯して治療を進めることが多くなっています。
2.前歯の突出がある
「出っ歯」と呼ばれるような前歯の突出や傾斜が顕著なケースでは、抜歯をすることで前歯を移動させるために必要なスペースを確保することがあります。
また、顕著な前歯の露出が見られない場合でも、横から見たときに口元が出ていたり、口元が開きっぱなしになっているような方は、同様に抜歯が必要となることがあります。このような症例は、口呼吸の原因にもなるので矯正治療をなるべく早い段階で開始されることをお勧めします。
3.上下の顎のズレや歪み
上下の顎の位置にズレがあったり、顎のバランスに歪みが生じていると、歯並びや噛み合わせにもトラブルが起こりやすくなります。
深刻なケースでは、外科的な手術が必要となるため、そのような状態にまで悪化させないために早期の抜歯が必要となることがあります。
健康な歯を抜くことに躊躇される患者さんも少なくありませんが、抜歯のデメリットだけでなく、手術なしで歯列矯正を行うことのベネフィットを理解しておくことが大切です。
4.その他の異常があるケース
通常より歯の本数が多い。歯が歯茎や骨に埋まっている(完全に生えていない)。重度の虫歯がある。親知らずがある。歯根の露出・吸収がある。
こういった歯の異常が見られる場合は、歯を保存したまま矯正治療を行うことが困難であり、抜歯が必要となるケースが多くなっています。
まとめ
もちろん、上記4つのケースでも抜歯をしないケースもあります。抜歯を絶対にしたくない!と言う人もいるでしょう。また、昔であれば抜歯が必須だったが抜歯をしなくても済むケースも多いです。
抜歯の有無を含めて信頼できる矯正歯科に相談してみてくださいね。
この記事を書いた人