治療について

動かせない歯「アンキローシス」に注意を

更新日:2021/07/09

歯列矯正の症例では、残念ながら歯の状態によっては、治療が難しいケースや、治療ができないケースがあります。

患者さんの負担費用が大きく、治療期間も長い矯正治療では、一度治療をスタートさせてから元の状態に戻すことは非常に困難です。

そこでオルソぺディアでは、治療をスタートさせる前に必ず知っておきたい歯の専門的な知識・情報についてわかりやすくご紹介。

ここでは、治療トラブルを起こしやすい歯の状態である「アンキローシス(骨性癒着)」について詳しくご説明します。

動かせない歯。アンキローシスにご用心!

なんだか難しそうな用語ですが、「アンキローシス(骨性癒着、Ankylosis)」とは、わかりやすく説明すると、動かせない歯がある状態のことです。

患者さんに歯の根っこ(歯根)と骨(歯槽骨)がくっついてしまった歯があると、矯正装置の力を使っても歯を動かすことは出来ません。

そのことに歯科医が気付かずに歯列矯正を行うと、かえって噛み合わせを悪化させてしまいます。

アンキローシスの原因は?

外傷や炎症など、なんらかの口内トラブルによって「歯根膜(歯根と歯槽骨の間にある血管の膜)」を失うことで「アンキローシス(骨性癒着)」は発生します。

その具体的な事例について、以下に簡単に解説します。

① 萌出不全・萌出遅延

稀なケースではありますが、外傷や炎症がないのに「アンキローシス(骨性癒着)」になることがあります。

大人になっても永久歯が生えて来ない、一定の高さに達しない状態のことを「萌出不全」「萌出遅延」と呼びます。抜歯や手術といった外科的なアプローチが必要とされる難症例であるため、矯正治療のトラブル発生も高くなります

② 脱臼などの外傷

歯をぶつけるなど外傷によって歯の根っこが打撃を受けると「歯根膜」が大きな損傷を受けてしまいます。

周囲の歯根の血管神経が切れておらず、一見問題がなさそうに見えても「歯根膜」が機能不全に陥っているケースも少なくありません。

思いあたる外傷の経験がある場合は、治療前に歯科医に必ず報告するよう心がけてください。

③ 嚢胞などの炎症

歯の成長途中に骨のなかで炎症が起こると、歯根と歯槽骨の癒着が発生しやすくなります。

炎症を原因とする「アンキローシス(骨性癒着)」は、とくに上顎の前歯の犬歯(真ん中から三つ目の歯)に起こりやすいため、八重歯(犬歯がなりやすい)のある方は注意が必要です。

また、虫歯の悪化によって歯茎が炎症し膿がたまる「歯根嚢胞」にかかると、「アンキローシス(骨性癒着)」にもなりやすくなります。

上の外傷のケース同様、外見上では識別が難しい症例も多いため、不安や疑問を感じられる方はカウセリング時にご相談されると良いでしょう。

アンキローシスでも矯正治療はできる!

「アンキローシス(骨性癒着)」の症状が見られる場合でも、治療前に適切な診断を行うことによって歯列矯正をスタートさせることが出来ます。

外科的な手術が必要とされることも多く、通常の歯列矯正に比べて治療の難易度は上がりますが、きちんとしたトレーニングを積んだ矯正医ならば十分に対応することが可能です。

とはいえ、歯列矯正は、どのクリニックで行っても同じ結果が得られるわけではありません。

「アンキローシス(骨性癒着)」における治療トラブルの原因のほとんどは、担当医の診断能力の欠如によるものです。

一生モノの矯正治療を後悔のないものにするためには、適切な診断と治療のプランニングを行える、確かな経験と知識を持った矯正医を探すことが大切です。

オルソぺディアでは、クリニック選びの手引きになる記事も多数掲載していますので、ぜひあわせてチェックしてみてくださいね。

この記事の監修者一覧

大宮SHIN矯正歯科院長 矢野晋也

2001年日本大学歯学部卒業、2006年同大学院卒業。
2008年日本大学歯学部専修医、2010年日本大学助教、2013年大宮にSHIN矯正歯科開業。
日本矯正歯科学会認定医・マウスピース型装置(インビザライン)・ダイアモンドプロバイダー他。

大宮SHIN矯正歯科へ

この記事を書いた人

オルソペディア編集部

オルソペディア編集部です。矯正関する知識やコラム、お役立ち情報など様々な記事をお届けします。

カテゴリー: お口のお悩み

タグ: アンキローシス 矯正治療の豆知識

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