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矯正の精密検査って何をするの?精密検査で○○がわかる!

更新日:2022/06/08

矯正治療における事前の「精密検査」はかなり重要です。この精密検査によって、今後の矯正治療の方向性が決まってくるでしょう。では、精密検査では一体どのような検査を行うのでしょうか?また、その検査により何がわかるのでしょうか?

精密検査では何をする?

矯正治療における精密検査は、矯正相談の後に治療を開始すると決めた段階で行います。
主な検査内容は

口腔内写真

口腔内写真

顔貌写真

顔貌写真

レントゲン写真

レントゲン写真

歯の型取り

歯の型取り

です。

画像提供:大宮SHIN矯正歯科

口腔内写真

口腔内写真

画像提供:大宮SHIN矯正歯科

口腔内写真では、“噛んだ状態の正面と左右側”、“口を開けた状態の上下の歯列”の合わせて5枚を基本的には撮影します。ただ、患者さん自身が特に気になってる部位や歯医者から見て気になる部位などは追加で撮影します。

顔貌写真

顔貌写真

画像提供:大宮SHIN矯正歯科

顔貌写真では、正面、左右側の顔の写真と笑顔の写真を撮影します。口元の状態を見るために、口を閉じた状態、自然と開けた状態を撮影する場合もあります。

レントゲン写真

レントゲン写真

画像提供:大宮SHIN矯正歯科

レントゲン写真は主に3種類を撮影します。

パノラマ写真

全体的な歯の状態、歯を支える骨の状態、虫歯や歯周病の有無などを確認します。

セファロレントゲン写真

上下の顎の位置関係、歯の傾き、口元の状態、顎関節の状態などを確認します。

デジタルレントゲン写真

パノラマ写真でははっきりと見えなかった部位を拡大して撮影する事ができます。虫歯や根っこの状態、歯の長さなどを確認できます。

歯の型取り

歯の型取り

画像提供:大宮SHIN矯正歯科

上下の歯並びの歯型をとります。粘土のような柔らかい材料を口の中に入れ数分待つ事で、歯型を採得できます。歯の型取りは大人の方でも苦手な方が多いので、最近では型取りをせずに歯型をスキャンし読み込む事ができる口腔内スキャナーという機械を導入している歯医者も多いです。

精密検査でわかること

口腔内写真や顔貌写真は、肉眼で確認できる歯や顔の状態を記録するために撮影します。患者さん自身では気づきにくい部分を診断時に一緒に確認し、共有することもできます。
歯のレントゲン写真では、肉眼では見えない歯や骨の状態、お子さんの場合は今後生えてくる永久歯もレントゲンを通し確認することができます。

歯の型取りでは、現在の噛み合わせの状態、それぞれの実際の歯の大きさを確認することができます。今後どのように歯を動かしていくのかをシュミレーションする際にも歯型が重要になります。歯型があると、患者さんも自分の歯並びを客観的に見ることができますね。

精密検査で確認する項目は全て重要ですが、最も重要なのは「顔のレントゲン」です。歯の矯正なのに、なぜ顔のレントゲンが重要なのでしょうか?

それは、“顔全体と歯のバランス”も考慮するためです。歯だけに注目して見た時には綺麗に歯が揃っている状態に見えても、顔全体で見た時には“出っ歯”の可能性があります。いくら矯正で綺麗な歯並びになったとしても、口元のバランスが整っていないと患者さんの納得いかない結果になってしまうかもしれません。顔のレントゲンを撮ることで、顎の骨と歯の位置関係がわかり、顔のバランス的にどのように歯を動かすのが患者さんにとってベストな状態になるかを分析することができます。歯並びだけでなく、顔の印象のためにも精密検査で顔のレントゲンを撮る事は非常に重要です。

精密検査の費用

矯正治療自体が自由診療なので、精密検査も保険が適応されません。検査料は歯医者により幅がありますが、平均3〜5万円程かかります。ただし、精密検査の次に行われる診断とあわせた金額になっていることが多いです。

精密検査が重要と言われる理由

矯正治療において、精密検査は非常に重要です。精密検査と診断によって、治療の7〜8割が決まると言われています。
精密検査を行う理由は、歯医者が現状を知るだけでなく“綿密な治療計画を立てるため”です。矯正治療を始める前に精密検査を行うことによって、歯並びや歯の状況だけでなく顎の骨、大きさなどの顔全体の情報も得た上で治療方針を決めることができるのです。患者さんが何を気にしていてどのような治療結果を望んでいるのか、今の歯並びの原因は何なのかを突き止めながら治療計画を練っていきます。患者さんの意見や希望を聞くことも重要ですが、症状の原因が何かを治療前の精密検査から読み取る事が非常に重要です。そのため、治療計画は1通りとは限りません。患者さんの希望に最も合わせたパターンや、原因などを踏まえて歯医者から提案されるパターンもあります。治療計画を何通りも提示することによって、それぞれのメリット・デメリットや費用の差、治療法なども比較し選択する事ができます。

精密検査と診断に重点をおく歯医者が重要!

歯医者の言われるがまま治療を進めるのではなく、精密検査の結果をしっかりと説明し、自分が選択できるよう治療法を何通りか提案してくれる歯医者を選ぶ事をおすすめします。
自分が今どのような歯や骨の状況なのか、患者さん自身が知らない事は沢山あります。歯医者が検査結果を細かく説明せずに、治療法もいつのまにか決められ言われるがまま治療を進めていく場合、患者さんが納得いく結果を得にくいかもしれません。精密検査と診断で治療結果の7〜8割が決まると言われているので、この部分に比重を置いている歯医者を見つけましょう。時間をかけてじっくりと治療計画を決める事で、矯正治療を満足のいく結果で終えることができます。

この記事を書いた人

オルソペディア編集部

オルソペディア編集部です。矯正関する知識やコラム、お役立ち情報など様々な記事をお届けします。

カテゴリー: 矯正歯科コラム

タグ: 矯正の豆知識

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