治療について

歯列矯正中でも転院はできるのか?転院の仕方は?

更新日:2022/05/27

歯列矯正の途中でも転院できるのか気になりますよね。転勤や引っ越しなど、急に決まることが多々あるのも事実。そのときに慌てずに転院ができるように注意点を確認しましょう。これから歯科医院選びをする方は歯科医院選びの参考にもなるかと思います。

歯科医院

歯列矯正の途中でも転院はできるのか

結論から申し上げると、転院は可能です。ですが、転院の際の注意点がいくつかあります。

転院には、仕事や家族の都合などやむを得ないものから、歯科医院と患者さんとの間で信頼関係が築けずに不安が後押しとなって転院を検討する場合もあるかと思います。

転勤や引っ越しが理由の場合

紹介状を書いてもらうなどいくつかポイントがあります。このあと詳しく説明をしていきます。

信頼関係不足が理由の場合

思ったように歯が動かない、先生と相性が合わないなどが考えられますが、処置内容や経過など疑問に思った部分はその都度質問をするようにしましょう。相談してみると以外とすぐに解決する場合もあります。また、歯科衛生士や受付に相談し、あいだにクッションを置くのも良いでしょう。

治療方針は、歯科医師それぞれ異なり、使用する器具や材料も異なってきます。歯並びを整えるという目的は同じであっても、ゴールの仕方が違うのです。結果的に転院が功を奏すかは不透明です。こういったことからも安易な転院はおすすめできず、よく考える必要があります。

転院の際の注意点

治療方針が異なる

歯科医師のそれぞれの方針に基づき処置していきますので、転院先が全く異なる方針の歯科医師だった場合、治療をそのまま引き継げるとは限りません。場合によってはやり直す可能性もあります。

追加費用がかかる

歯列矯正の開始の前に、契約書や同意書を交わしていると思いますので、返金や転院の事項を確認・質問をするようにしましょう。また、最初にかかっていた歯科医院の見積もりより、転院先でさらに費用がかかる可能性もあります。歯列矯正は自費診療なので、金額は統一されていません。

転勤や引っ越しの予定が未定で歯列矯正が開始できない

引越しの準備をする女性

お仕事柄、転勤が伴う方もいるのではないしょうか。歯列矯正を始める前に、そのことを念頭において歯科医院選びをしましょう。そして、転勤や引っ越しの可能性を事前に伝えることで歯科医師側もその点を配慮した治療計画・提案が可能になります。

転院時のトラブルやリスクを抑えるために下記の3つを参考に、歯科医院を選ぶのも一つの手です。

公益社団法人日本臨床矯正歯科医会

日本臨床矯正歯科医会では転院の指針があり、会員となっている歯科医院をHPから調べることができます。

永久歯列期のマルチブラケット装置による治療の場合

(すでに全額入金となっている患者に対しての返金する割合の目安)

治療のステップ金額判断の目安
全歯の整列60~70%程度
犬歯の移動40~60%程度
前歯の空隙閉鎖30~40%程度
仕上げ20~30%程度
保定0 ~ 5%程度

※引用:日本臨床矯正歯科医会

上記は目安であり、処置内容にもよりますので必ずしもこの通りとはなりかねない場合もあります。

公益社団法人日本矯正歯科学会

日本矯正歯科学会にも、転院に際しての返金の指針があります。返金の割合は日本臨床矯正歯科医会と同じです。会員の歯科医院をHPから調べることができます。

グループ展開している歯科医院

歯科医院のなかには、グループ展開や医院提携をしているようなところもあります。転勤や引っ越し先が、その歯科医院の展開範囲ならば安心できそうですね。

歯列矯正途中での引っ越しや転勤

すでに歯列矯正を開始している方はどうしたら良いでしょうか。

相談

歯科医に相談

まず分かった時点で歯科医院にすぐ連絡をしましょう。そのうえで、転勤・引っ越しまでに歯列矯正が終わりそうなのか、過渡期なのかどうかなどで治療の変更や対応があるかもしれません。

月1回位程度なら通える範囲ということならば、そのまま通院を継続することは余計な変更や追加費用の心配がなく最良の選択ではないかと思います。

紹介状の作成

通院が難しい場合は紹介状を書いてもらい転院しましょう。紹介状には、レントゲン写真や治療計画・経過、費用などについてまとめてあります。これらの情報がないと、転院先で再度精密検査を受けたり経過も不明のため歯列矯正の期間が延びたりすることが考えられます。

まとめ

最初の初診相談

歯列矯正の転院には、注意点がいくつかありました。

治療方針の違いや、返金(一括で支払った場合)や転院先での追加費用発生の可能性など、とても軽視できるものではないからこそ、最初の歯科医院選びが重要になってきます。

事前に転勤や引っ越しの可能性があるのならば、そのことを念頭に置き歯科医院選びや、治療計画を立ててもらうようにしましょう。

この記事を書いた人

オルソペディア編集部

オルソペディア編集部です。矯正関する知識やコラム、お役立ち情報など様々な記事をお届けします。

カテゴリー: 矯正歯科コラム

タグ: 矯正治療の豆知識

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