矯正治療が失敗してしまう◯◯の理由
更新日:2021/05/26
治療の失敗。なぜ?
ワイヤーやマウスピースを装着し、口元を美しく整える矯正治療。
昨今では、新しい手法がいろいろと登場しており、患者さんのイメージも以前より身近なものに変わっていますよね。
とはいえ、興味こそあれ「ほんとに理想通りの歯並びを手に入れられるのか?」と懸念を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一生モノとも言われる歯列矯正を成功させるためには、治療が失敗してしまう原因について、しっかりと理解しておくことが大切です。
そこで今回は、歯科矯正が失敗してしまう理由の中でも代表的な例についてご説明いたします。
失敗してしまう◯◯の理由
矯正治療の失敗例はさまざまですが、とくに考えられる原因としては以下の5つが挙げられます。
- 医師の力不足
デジタル・テクノロジーを使った矯正システムの登場により、時間の流れとともに失敗リスクは少なくなっているものの、依然として診断力、プランニング、技術力など、担当する歯科医の知識と経験によって、治療の成否が大きく左右されることもまた事実です。
抜歯の有無の判断、治療完了までの的確なプランニング、器具の装着技術には、虫歯や歯周病といった通常の施術とは異なる、特別な技能が求められます。
残念ながら、すべての歯科医師が十分な技術を有しているわけではありません。
担当医選びの指針については別記事で詳しくご紹介していますが、歯列矯正のエキスパートである「認定医」「指導医」が在籍している病院・クリニックであれば信頼性の高い治療を受けることができるでしょう。
- 治療が難しい歯並び
歯並びが複雑でアンバランスなほど治療期間は一般的に長引く傾向にあり、その失敗リスクも高まります。
とりわけ、歯並びが凸凹になっている「乱杭歯(らんぐいば)」、上の前歯と下の前歯が噛み合わずスペースが生じる「開咬(かいこう)」の度合いがひどい場合、外科的な施術が必要になるケースもあります。
同じ病名の疾患でも、個々人の歯並びの状態によって治療の難易度は大きく変わりますので、カウンセンリング時にしっかりと確認しておくことが大切です。
- あごの大きさ・歯の大きさ
歯並びの凸凹の原因があごの大きさにある場合、あごの広さを拡大する必要があるため、その治療も難しくなります。
また顎が正常の大きさでも、歯の大きさが過度に大きいケースでは、思うような結果を得られないことがあります。
とくに前歯が大きいと、歯並びだけを改善してもアンバランスな見た目になってしまうことも少なくありません。
自覚のある方は、治療をスタートさせる段階で歯科医に相談されると良いでしょう。
- 抜歯の有無
抜歯が必要な症例でも、抜歯をせずに矯正治療を進めてしまうと失敗につながる可能性が高くなります。
非抜歯矯正は、患者さんにとって大きな魅力であるため、営利目的のためその高い宣伝効果を濫用してしまう歯科医院・クリニックも少なくないのが現状です。
その一方で、不要な抜歯、適切とはいえない抜歯を行ってしまうと、治療後に噛み合わせがわるくなったり、出っ歯になってしまったりすることもまた事実です。
抜歯をするべきかどうかの判断は、矯正治療の成否を分ける重要ポイントですので、歯科矯正をスタートさせる際は、セカンドオピニオンを活用し、複数の診断から納得の行く治療方法を選択されるよう心がけて下さい。
- マウスピースの装着時間
マウスピースを使用した矯正治療には、患者さんご自身のライフスタイルに合わせて、自由に装置を着脱することができるメリットがあります。
しかしながら、歯は装置が外れると元の位置に戻ろうとする力が働くため、指定された装着時間を患者さんが守らないようなケースでは、プラン通りに治療が進みません。当然ながら、治療そのものが失敗してしまうリスクも高まります。
飲食後、歯磨き後など装着忘れが発生しやすいシチュエーションでは、マウスピースの取り扱いにとくに留意されるとよいでしょう。
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