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矯正治療で抜歯して後悔した!抜歯して後悔しないためには?

更新日:2023/08/30

矯正治療の抜歯で後悔することがある?

患者さんが治療計画や現状をしっかりと理解していなかったり、歯科医師との意思疎通がうまく行われずに治療を開始してしまった場合に抜歯を後悔するパターンが多いです。

「矯正治療=抜歯」というイメージを持たれている方も多いと思いますが、なぜ抜歯が必要なのかを理解している方は多くありません。
患者さんの骨格や歯並びは一人ひとり違います。抜歯をして治療をした症例が自分の歯並びに似ていたとしても、同じように抜歯をしなければならないわけではありません。
抜歯をせずに綺麗に並ぶ可能性もあります。
反対に、同じように抜歯をしたにも関わらず、必要以上に口元が引っ込んでしまう場合もあります。

さらに、抜歯をしたことで歯列全体が小さくなり、舌の置く位置も狭くなってしまったり、歯列と舌の位置が本来あるべき位置より後方に下がってしまう場合があります。
舌の位置が後退すると、気道が狭くなり、鼻で呼吸がしにくく口呼吸やいびきの原因にもなりかねません。

このように、抜歯をすれば必ず良い治療結果を得られるわけではなく、なぜ抜歯が必要なのか、抜歯のデメリットをしっかり理解して治療を開始しなければ、反対に悪い治療結果になってしまう可能性があります。

矯正治療の抜歯で後悔する症例

歯のガタガタが小さい

歯のガタガタが小さい人が抜歯をして矯正すると、必要以上に口元が下がってしまう可能性があります。
歯のガタガタが大きく歯が並ぶスペースが無い場合に抜歯が必要になることが多いですが、歯のガタガタが小さい人は抜歯をすることで必要以上にスペースが確保されてしまい、口元の印象が大きく変わってしまう可能性があります。

すきっ歯

歯のガタガタが小さい人と同じく、すきっ歯の人は歯が並ぶスペースを大きく確保する必要が無いため、ほとんどの場合抜歯は必要ありません。
そのため抜歯をしてしまうと、①と同じく必要以上に口元が下がってしまう可能性があります。

鼻と顎の骨格がしっかりしている

鼻と顎の骨格がしっかりしている人は、横から見た時に口元が多少前に出ても違和感がありません。
反対に抜歯をして口元が下げてしまうと、顔貌まで変化してしまう可能性があります。

矯正治療で口元が引っ込んでしまった場合の対処法

矯正治療で引っ込んでしまった口元を前に出すことは不可能ではありません。
もう一度、矯正治療を行うことで改善される可能性があります。

しかし、抜歯矯正により口元が引っ込みすぎた歯並びは、すでに歯を大きく動かして歯列全体を引っ込めているため、一度引っ込んでしまった口元を再び前に戻すのは非常に難しい治療になります。
元に戻すために歯列をそのまま前に押し出したり、無理に広げたりすると、今度は歯と歯の間に隙間が生じ、すきっ歯になってしまったり、前に出すことで歯根が骨から出てしまい、歯ぐきが下がるリスクなども考えられ、反対に見た目を損なう可能性もあります。

現在、治療途中で歯が引っ込んでいるかも、と感じた場合はすぐに歯科医師に相談してみましょう。それでも納得できなかったり不安が残る場合は、セカンドオピニオンで他の歯科医師の意見を聞いてみる方法もあります。
同じ資格を持った歯科医師でも、治療方針や考え方は一人ひとり異なります。
すでに治療を開始している場合は再度検査費用や治療費がかかってしまう可能性がありますが、一度相談してみるのも良いかもしれません。

矯正治療の抜歯で後悔しないために

治療前に精密検査をしっかりと行い綿密な治療計画を立てた上で、患者さんと歯科医師が十分に話し合い、コミュニケーションを取ることが非常に重要です。

抜歯をしてしまうと、歯は元に戻すことができません。
そのため矯正治療では、治療前に患者さんの理想の治療結果をしっかりと伝え、治療のゴールをお互いにすり合わせ、抜歯の有無を提示してもらう必要があります。

抜歯をするか、しないかは、患者さんの希望を踏まえることも大切ですが、歯科医師が顔のバランスやかみ合わせなど、さまざまな視点から考慮し、判断しています。

そのため、矯正治療では

  • 患者さんが抜歯・非抜歯のメリット、デメリットをしっかりと理解すること
  • 歯科医師が患者さんの理想の治療結果を踏まえた上で慎重な検討をしてくれること
  • 患者さんと歯科医師がお互いに納得、理解した上で治療計画を立てること

を中心に、治療を進めてくれるかどうかが重要です。

この記事を書いた人

オルソペディア編集部

オルソペディア編集部です。矯正関する知識やコラム、お役立ち情報など様々な記事をお届けします。

カテゴリー: 矯正歯科コラム

タグ: 矯正治療の豆知識

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