矯正を途中でやめた場合どうなる?費用は?再開する事は可能?
更新日:2022/05/14
矯正治療中の方も、これから矯正を始めようと検討中の方も
- 矯正を始めてしまったら途中でやめたくなった場合どうしたらいいのか?
- 費用はどうなるのか?
- 途中でやめた場合は再開する事は出来るのか?
気になる方も多いと思います。様々な理由で治療を途中でやめる事になってしまう可能性もありますので、ここではそのような場合の対処法を紹介していきます。
目次
矯正を途中でやめる事になる理由は?
矯正を途中でやめる事になる主な理由として考えられるのは、大きく3つあります。
引越しをするため通えなくなった
転勤や転校などで通院している歯科医院に通えなくなってしまうのが理由の一つです。
引越し先に提携している矯正歯科があったり、紹介状などを記入していただければ引き続き同じように治療を継続してもらえる事もあります。しかし、歯科医によって治療の費用や治療方針が変わってくるのでそこの部分で引き継ぎがうまくいかないと治療を継続するのが難しく治療自体をやめる事になってしまう事もあります。
病気になり通院が難しくなった
ご自身が何らかの病気になり、入院などで歯科医院に通院する事が難しくなってしまう事があります。その場合は治療途中でも、治療を辞めざるを得ない場合があります。治療を辞めずに矯正装置をつけたまま、状況が落ち着いたら通院を再開する事もできますが、その間の口腔衛生が不十分だったり装置が取れてしまった状態を放置してしまうと、装置がついている事自体がデメリットになる可能性もありますので、再開出来る見込みがわからない時は一度治療をやめる方がいいかもしれません。
精神的な面で継続が難しい
矯正治療を始めると、長期間口の中に装置が入ったままの状態になります。調整をする度に違和感や痛みが伴いますし、歯磨きが大変なのはもちろん食事にも制限がかかってしまう事があります。最初は矯正治療に対して意欲的でも治療が長期化してくると日常的なホームケアがめんどうになったり、矯正治療に大きなストレスを感じることもあります。また、いざ治療を開始したものの歯科医や医院との相性が合わないと、毎月の通院に精神的苦痛を感じ治療をやめる事になってしまう場合もあります。
矯正治療を途中でやめた場合の費用は?
では、実際に矯正治療を途中でやめた場合の費用はどうなるのでしょうか?
大きく分けて
- 一括で治療開始時に支払いを済ませてしまっている場合
- 分割で支払いを続けている場合
のパターンに分けられます。
一括で治療開始時に支払いを済ませてしまっている場合
治療費を前払いしていた場合に矯正治療を途中でやめると診療契約の法的性質は準委任(民法第656条)になります。そこには受任者(歯科医院)の責めに帰することができない事由によって中途解約がなされた場合にはすでになされた履行(治療)の割合に応じて報酬請求権が発生することになります(民法第648条3項)。
つまり、法律上は“治療が済んでいる費用は返金しなくてよい”事になるため、返金してもらう際には確認が必要です。歯科医院によっても対応が様々ですが、治療費を前払いしている場合には、既に完了している治療費の差額を返金してもらえる場合があります。ただし、「完了している治療」の基準が曖昧なので、返金額がどれくらいになるのかは歯医者に必ず確認しましょう。
分割で支払いを続けている場合
分割で支払いを続けている場合は、追加でどれくらい費用が必要なのかをしっかりと歯科医と話し合わなければなりません。矯正治療を開始する前に記入した契約書に、途中で治療をやめる場合の費用だけでなく治療の内容についても記載があると思いますので、途中でやめる事を歯科医に話す前に必ず内容を確認するようにしましょう。
途中でやめた治療を再開する事は出来る?
では、一度矯正治療をやめたものの再び治療をしたくなった場合に再開する事は可能なのでしょうか?
治療を途中でやめた場合、状況が落ち着きいざ“再開したい”となってもすぐに治療を始める事は難しいです。治療の再開にはデメリットがいくつかあり、
- 精密検査からやり直す可能性がある
- 治療費の設定が難しい
という点があげられます。
精密検査からやり直す可能性がある
矯正治療前に行う精密検査は、患者さんの今の歯や骨格の状態を知り、その後の歯の動かし方や治療目標など綿密な計画をする為に行われます。治療の中断で長い期間が空いてしまうと、以前の精密検査の結果と現在の状態が大きく変わっている可能性がありますので、一からまた確認し直す必要があります。そうなると、場合によっては矯正治療を最初からやり直す事になってしまい、それまでの治療期間が無駄になる場合もあります。
治療費の設定が難しい
例えば、精密検査を一からやり直し矯正治療を最初からやり直す事になった場合、治療費が追加になる可能性があります。治療のどの段階でやめたのか、またやめて再開するまでの間に歯列がどれくらい変化しているかにもよりますが、以前と全く同じラインから再開する事は難しいので、治療期間も延びる可能性があります。治療期間が延びる事により、治療費が追加でかかる可能性は高くなります。
矯正を始める前によーく検討を!
自分が将来どうなるのかは予測するのが難しいですが、矯正を始める前にしばらくは身の回りに大きな変化がないかを確認する事が重要です。例えば、これから社会人になるにあたって配属先が決まる場合は、どこに配属されるか分かった時点で始めるのが良いでしょう。また、留学に行く予定がある方は留学中は治療を中断する事が可能なのか、その時の費用はどうなるのかを確認するようにしましょう。矯正治療は想像以上に大変な事がたくさんあります。自分が長期間の治療を耐え抜く覚悟があるのかも重要です。矯正を途中でやめる事や再開する事にはデメリットが多いですし、高額な費用が関わってくるのでトラブルにならないように事前にしっかりと確認をする事が大切です!
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