子どもの矯正①「治療をスタートさせるタイミングって?」
更新日:2021/08/26
「歯並びが気になるけど、痛い思いをさせるのは……」「矯正治療は経済的な負担が……」「乳歯の段階での歯並びのわるさは大丈夫?」
心配事の尽きない育児のなかで、お子さんの歯並びでお悩みの親御さんも多いのではないでしょうか?
オルソペディアは、そんな子どもの矯正治療の疑問点・注意点について定期的にピックアップ。シリーズ連載で詳しくご紹介します。
子供の矯正で多い質問とは?
- 子どもの矯正っていつからスタートさせるべきなの?
- 早期の矯正治療が必要なケースってどんな歯並び?
- 平均的な予算はどれくらい?保険って使えるの?
- 子どもの矯正治療のメリットとデメリットって?
親御さんからの質問がとくに多いトピックには、以上のようなものがあります。
どのような歯並びを、どんなことに注意しながら、いつどのタイミングで治療をすればよいのか。このような子どもの矯正治療に関する知識を正しく理解できるようになること。それが本シリーズの目的です。
第一回目の今回は、「矯正治療をスタートさせるタイミング」について分かりやすく解説いたします。
子どもの矯正治療はじめる適切なタイミングっていつ?
子どもの矯正治療は、歯の発達段階によって大きく二つに分けることができます。
【一期治療】 三歳くらい〜小学校高学年くらいにかけて行われる治療
【二期治療】 中学生や高校生になってから行われる治療
この二つの治療は、何によって区分され、どのような違いがあるのでしょうか?
子供の矯正治療:一期治療、二期治療とは?
「一期治療」は、乳歯から永久歯に生え変わるタイミングで行われる治療です。その目的は、歯並びや噛み合わせを支えるあご骨の全体的なバランスを整え、永久歯を適切な位置に誘導することにあります。
いわば、理想的な歯並びを設計する上での土台作りと言えるでしょう。
「二期治療」は、成長期を終え、永久歯が生えそろってから歯並びや噛み合わせの不整合を矯正していく作業になります。
一期との大きな違いは、第二期では乳歯が永久歯に生え変わり、その後の生涯にわたる歯並びのベースが完成されつつあることにあります。
歯並びを変えやすく、成果が出やすい一期治療
では、子どもの矯正治療はどの時期にスタートさせるのが適切と言えるのでしょうか?
「一期」の段階では、あご骨の形成が未発達なため、歯列の移動も比較的かんたんで大きな効果が出やすい傾向があります。
三歳ごろから治療をスタートさせるお子さんもいらっしゃいますが、一般的には下顎の前歯が生えそろう小学校入学~3年生頃(一期治療)くらいの時期がベストタイミングといえるでしょう。
「二期」の段階から治療をスタートしても、決して遅すぎるというわけではなく、成人治療に比べれば結果も出やすいです。とはいえ、とくに複雑な歯並びのケースでは「一期治療」よりも治療の難易度が上がり、外科的な治療が必要になってしまうことも事実です。
注意しておきたいのは、歯の生え方やあごの成長の仕方によっては、大人になるまで治療を放置してしまうと、顔の歪みや咀嚼能力・発音の障害、顎関節症などさまざまな美容リスク・健康リスクが増大してしまう場合もあるということ。
歯列矯正を早期に完了させることが出来れば、多感な思春期において、コンプレックスや健康不安から解放された豊かな時間を過ごすことができます。
まとめ
- 子供の矯正治療は「一期治療」「二期治療」の二つに大別することができる。
- 永久歯に生え変わる前の治療のほうが効果が出やすい
- 悪い歯並びを放置してしまうと、生涯にわたって美容・健康面でハンデを背負ってしまうリスクがある
ここでは、子供の矯正における二つの発達段階、治療をスタートさせるタイミングという二つのトピックについて解説してきました。
覚えておきたい重要ポイントを上にまとめておいたので、参考にしていただけると幸いです。
お子さんの歯並びが気になる場合は、なるべく早い時期に検診を受けることがとても大切です。カウンセリングだけでも構わないので、気兼ねなく矯正歯科医にまでご相談くださいね。
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