低価格かつスピーディー。「ウィ・スマイル矯正」ってどうなの!?
更新日:2021/08/17
理想の口元が手に入る反面、価格の高さがネックでもある歯列矯正治療。
昨今では、そんな従来のイメージを覆す新しいタイプの矯正治療が登場しています。
ここでは、低価格治療の中でも代表的なものの一つ「ウィ・スマイル矯正」について詳しく解説します。
「ウィ・スマイル矯正」って!?
「ウィ・スマイル矯正」とは、「安く・早く・簡単に」をコンセプトにした透明なマウスピース装置による矯正治療です。
2017年~2018年以降、よりスピーディーかつ低価格な治療を実現した「LCM(格安マウスピース矯正」が台頭しています。その理由は、マウスピース矯正の草分け「インビザライン」を開発したアラインテクノロジー社の初期の特許が切れたことによります。
オルソペディアでも紹介した「キレイライン」をはじめ「ピュアライン」「DEPEARL」などLCMにはいくつかの種類が登場しています。「ウィ・スマイル矯正」も、こうした流れの中から生まれたものの一つです。
「ウィ・スマイル矯正」 のメリット・デメリットについて
「安くしてしかも早いなら、ワイヤー矯正やインビザラインではなくウィ・スマイルで良いのでは?」
そう思われる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
たしかに、早く・安く歯並びを改善できる点は「ウィ・スマイル矯正」の大きな魅力です。しかしながら、「LCM(格安マウスピース治療)」ならではの欠点が存在することもまた事実です。
以下に、出来る限りフラットな目線で「ウィ・スマイル矯正」のメリット・デメリットについてまとめておきます。
【メリット】
・価格が安く、治療が早い(月額1600円〜、平均治療費10〜30万円、平均治療期間3ヶ月〜11ヶ月)
・マウスピースなので装置が目立たず、自由に取り外せる
・歯並びのゴールを自分で決められる
・気になる部分をピンポイントで矯正できる(全歯にも対応可)
・噛み合わせが悪化しづらい
【デメリット】
・前歯を動かすことが主流(犬歯~犬歯まで12本分)
・追加料金が発生するケースが多い
・治療データが少ない
・適応できない歯並びのケースがある
・担当医による診断や治療計画がない=どういう結果になるかわからない
最大の魅力は、なんといっても月額1600円〜という費用負担の少なさです。
ところが「LCM(格安マウスピース矯正)」は、前歯をメインとしたピンポイント治療が主流です。前歯のみの治療となると奥歯に難がある人には向きません。また前歯が動くことで奥歯のかみ合わせも変わってしまいやり直しになることもあります。
「LCM(格安マウスピース矯正)」では珍しく、奥歯を含めた全歯の矯正にも対応していることも「ウィ・スマイル矯正」の特徴の一つです。ところが、その場合のトータルコストはもろもろの料金を含めると「インビザライン」より高くなってしまうこともあります。
ライフスタイルに合わせて自由に装置を取り外すことができるのは、他のマウスピース矯正と同じくワイヤー矯正にはない利点です。
治療期間を自由に選択できる点も「LCM(格安マウスピース矯正)」ならではのメリットと言えるでしょう。
その一方で、担当による明確な診断や治療計画が存在しないため、どういう結果になるか想定しづらいことも事実です。
「ウィ・スマイル矯正」 に向いている人・不向きな人
【向いている人】
・短期間で歯並びを整えたい人
・歯をピンポイントで改善したい人
【不向きな人】
・複雑な歯並びの人
・すべての歯並びをきっちり改善したい人
結婚式やパーティーなどを控え、短期間で歯並びを改善した方には最適な治療といえるでしょう。すきっ歯や、出っ歯、受け口などの症例でも、軽度の崩れであれば対応可能です。
その反面、「ウィ・スマイル矯正」は、重度の不正咬合が見られるケースでは、適用できない場合もあるので注意が必要です。
また、奥歯を含めた全ての歯をきちんと整えたい方には、あまりオススメ出来ません。
適応可能な症例の多さ、治療の精度やクオリティ、マウスピース作成のテクノロジーといった点において、古くからの歴史と膨大な治療実績を持つ「インビザライン」は、数あるマウスピース矯正の中でも群を抜いています。
そのため、複雑な歯並びの方や、奥歯の噛み合わせを含め全ての歯をきちんと改善したい方は、「ウィ・スマイル矯正」より「インビザライン」の方が適していえると言えます。
まとめ
”安く・早く・簡単に”をコンセプトに、これまでの歯列矯正へのハードルを下げた「LCM(格安マウスピース矯正)」。
その代表的な治療である「ウィ・スマイル矯正」は、まだ登場して間もない新しいタイプの治療です。
マウスピース矯正にはさまざまなメーカーがありますが、それぞれにメリットがあるとともに、安いものには必ずデメリットも存在します。
種類によってクオリティや適応症例も変わってきますので、コスト面だけを基準にせず、慎重にご検討されるよう心がけてくださいね、
この記事を書いた人