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リテーナーって何?矯正終わったのに装置をつけないといけない理由

更新日:2021/08/10

矯正治療を受けている際に、普段聞きなれない用語がコンスタントに登場し、困惑された経験をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか?

どなたにも分かりやすい言葉で説明することは、歯科医にとって欠くことのできない職務の一つですが、後悔のない治療にするためには、ある程度の予備知識を持つことで、疑問点や不安感をあらかじめ解消しておくことも大切です。

そこで、オルソペディアでは、知っておくと便利な矯正治療に関する専門用語を逐次ピックアップ。

今回は、歯列矯正には欠かせない「リテーナー」について分かりやすく説明します。

「リテーナー」ってなに?

【ひとこと解説】

歯列矯正が終了した後も、歯並びを美しく保つための装置。

使用目的】

「ワイヤーやマウスピースでの歯列矯正が完了しても、まだ終わりじゃないの?」

と疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

せっかく装置から解放されたのに、また別の装置をつけるなんて・・・と感じるのも当然かもしれません。

もし「リテーナー」を使用しなかったらどうなるのでしょうか?

人間の歯や骨格には元の位置に戻ろうとする性質があるため、リテーナーを使用しないと歯並びが以前の状態に戻って行ってしまいます。

そのため、歯列矯正が完了した後も美しい歯並びをキープするためには、しっかりと「リテーナー」を着用し、美しい歯並びをキープする作業が不可欠です。

【使用期間】

一般的には、2年から3年の期間が必要と考えられています。

後戻りのしやすさは、歯並びや、骨格、口周りの筋肉の影響を受けやすく、個人差があります。

歯ぎしりや食いしばり、舌の癖、頬杖などの生活習慣も無関係ではありません。

定期的にクリニックを受診し、状態をチェックしたうえで、主治医の適切な指導を受けることが大切です。

【種類について】

「リテーナー」にはいくつか種類がありますが、大きく分けると「固定式」と「可動式」に分類することができます。

  • 固定式
    固定式ワイヤーを使って歯の裏側に装着するタイプ。メリットは、歯並びを維持・安定させる力が強いこと。デメリットは、取り外しができないため、定期的なメンテナンスが欠かせないことです。
  • 可動式
    可動式透明なマウスピース型。ワイヤーとプレートで歯に挟むタイプのものもあります。メリットは、食事や歯磨きの際に、患者さん自身の手で簡単に取り外すことができること。

デメリットは、自由に着脱可能な装置であるため、付け忘れによる後戻りを起こしやすいことです。このあたりはご自身の性格で選ぶと良いかもしれません。

リテーナーは痛くない!

いずれにせよ、「リテーナー」は、歯列矯正の治療で使っていた「ブラケット(金属ワイヤー装置)」や「アライナー(マウスピース装置)」とは異なり、歯を移動させるための大きな力が発生しないため、装着していても痛みを感じることはほとんどありません。

どちらのタイプが最適なのかは、患者さんの症例や生活習慣にもよりますので、歯科医とよく相談されるとよいでしょう。

保定期間は長ければ長いほど効果が高いため、目安の期間が終わったあとも、夜間の就寝時だけリテーナーを着用される方もいらっしゃいます。

とくに、歯ぎしりや食いしばりなどの癖がある方には、防止効果があり、とても有効です。

まとめ

矯正後の後戻りを防ぐだけでなく、歯を健康に保つ装置としても優秀な「リテーナー」。上手に活用して一生モノの綺麗な口元を手に入れてくださいね。

この記事を書いた人

オルソペディア編集部

オルソペディア編集部です。矯正関する知識やコラム、お役立ち情報など様々な記事をお届けします。

カテゴリー: 矯正治療の方法

タグ: リテーナー 矯正治療の豆知識

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