治療について

「拡大床(かくだいしょう)」って何?

更新日:2021/08/17

矯正治療をはじめると、聞きなれない単語を耳にすることが多くなりますよね。

そこでオルソペディアでは、歯列矯正の世界で使われている専門用語をなるべく分かりやすくご紹介。

今回は、「拡大床(かくだいしょう)」について詳しく解説していきます。とくに、お子さんの歯並びが気になる方におすすめの記事です。

「拡大床(かくだいしょう)」ってなに?

「拡大床(かくだいしょう)」とは、ネジの力を利用して、数本の歯を移動をさせ、歯の横幅(歯列弓)を広げる装置です。

顎の幅が狭いと、歯がきれいに生えるスペースが足りなくなってしまうことがあります。「拡大床(かくだいしょう)」を使うことによって、上顎や下顎の歯が外側(頬側)に移動し、抜歯をせずともスペースを作ることができます。

とはいえ、拡大床だけできれいな歯並びになるケースは少なく、多くの場合、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などと併せて使用することがほとんどです。

薄い入れ歯のような形の装置の中央には、「拡大ネジ」とよばれるネジがあります。このネジの力によって、歯の土台となる歯槽骨を側方に押し広げる仕組みになっています。

【ポイント】

・「拡大床(かくだいしょう)」とは、抜歯をせず歯がきれいに生えるスペースを作るための装置のこと。

拡大床ってどんな人が使うの?

子供の矯正治療で使用されることがほとんどですが、大人の方でも症例によっては矯正装置との併用をすすめられる場合があります。

子供の治療における適用対象は、主に永久歯が生えそろっていない、乳歯列期や混合歯列期初期の第1期治療(6歳〜12歳ごろ)に使用されます。

拡大床が対応できる歯並びは、歯がガタガタしている「叢生」(八重歯を含む)や、下あごが上あごより出ている「受け口」、また上あごが下あごより出ている「出っ歯」、上の前歯が下の歯を深く覆ってしまう「過蓋咬合」などです。

上記のケースでも歯並びの状態によっては、「拡大床(かくだいしょう)」を使わない場合もあります。

装置の適応判断には、矯正医の高度な専門性と経験が必要不可欠です。少しでも疑問を感じた場合は、必ず医師に相談するよう心がけてください。

拡大床にはどんな種類があるの?

「拡大床(かくだいしょう)」は、大きく分けると二種類あります。

それぞれ、レジン(プラスチック)のプレート、金属製の太いワイヤー、歯列弓を押し広げる力を調節するネジの3つから構成されている「プレートタイプ」と、レジンのプレートがない「スケルトンタイプ」です。

拡大床は取り外しや調整が患者自身で行えます。そのため生活スタイルに合わせて便利に取り外しができますが、装着する時間が短くなると、計画通りに治療が進まなかったりすることがあるので注意が必要です。

拡大床のメリット・デメリットってなに?

拡大床のメリット

抜歯をせずに矯正できる

お子さんの歯のサイズが顎の骨に比べて大きいと、歯並びが乱れ凸凹に生えそろってしまうリスクが高まります。

そのような場合は、抜歯をすることで歯並びを整えることもありますが、「拡大床(かくだいしょう)」を使用することで歯を抜かずに治療を完了させることができます。

また、大人の方の「藁生」「受け口」「出っ歯」の矯正治療でも、装置の使用によって抜歯をせずに治療することが可能です。

取り外し可能

ライフスタイルに合わせて簡単に装置を外すことができます。そのため、食事や歯磨きに支障をきたすことはありません。

目立たない

歯の裏側に装着する装置のため、人目を気にすることなく治療することができます。

拡大床のデメリット

長時間の着用が必要

適切な効果を得るためには12時間/1日の着用が目安となります。連続使用しなければいけないというわけではなく、使用時間の合計が8時間を超過すれば問題ありません。着用時間についてメモを取る習慣をつけると良いでしょう。

手入れ、管理が必要

紛失や破損を防ぐため、取り外した後は必ず専用のケースの中に保管するようにしてください。水で濡れた状態で放置してしまうと、錆付きや破損の原因になります。

使用後はマウスピース装置と同じように、歯ブラシのブラッシング、リテーナー洗浄剤による漬け置き、超音波洗浄機での洗浄などを行い、清潔な状態をキープするよう心がけましょう。

装置着用による歯の痛み

「拡大床(かくだいしょう)」が歯や歯肉に当たることで痛みが発生することがあります。

そのような場合は、一度使用を停止し、受診されているクリニックに装置の微調整を行ってもらいましょう。

まとめ

主に子どもの矯正治療で使われる「拡大床(かくだいしょう)」は、歯を外側に広げ、歯が生えそろうスペース、歯列が移動する隙間を確保することで、抜歯をせずに治療を完了させる装置です。

歯の裏側に装着するので使用中でも目立たつことはなく、自由に取り外しも可能なため、日常生活に支障をきたすことはありません。

手入れや管理、痛みなどのデメリットもあるので、少しでも疑問や不安を感じた場合は、必ず医師と綿密なコミュニケーションをとるように心がけてくださいね。

拡大床の役割をきちんと知って、担当医との二人三脚で、理想の歯並びを目指しましょう。

この記事を書いた人

オルソペディア編集部

オルソペディア編集部です。矯正関する知識やコラム、お役立ち情報など様々な記事をお届けします。

カテゴリー: 治療の方法

タグ: マウスピース矯正 ワイヤー矯正 拡大床

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