治療について

子どもの矯正治療について

更新日:2021/05/25

「歯並びが気になるけど、痛い思いをさせるのは……」「乳歯の段階での歯並びの悪さは大丈夫?」など、お子さんに矯正治療を受けさせるかどうかでお悩みの親御さんも多いのではないでしょうか?

今回は、そんな子どもの矯正治療の疑問点について、特に質問の多い以下の三つの事柄を中心に解説いたします。

子どもの矯正治療をスタートさせる時期について
早期の矯正治療が必要なケースについて
子どもの矯正治療のメリットとデメリットについて

子どもの矯正治療をスタートさせる時期について

子どもの矯正治療は、年齢に応じて二つの時期に分かれています。

【一期治療】 3歳前後〜小学校高学年にかけて行われる治療
【二期治療】 中学生や高校生になってから行われる治療

「一期治療」は、乳歯から永久歯に生え変わるタイミングで行われる治療です。その目的は、歯並びや噛み合わせを支えるあご骨の全体的なバランスを整え、永久歯を適切な位置に誘導することにあります。いわば、理想的な歯並びを設計する上での土台作りと言えるでしょう。

「二期治療」は、成長期を終え、永久歯が生えそろってから歯並びや噛み合わせの不整合を矯正していく作業になります。

それでは、子どもの矯正治療はどの時期にスタートさせるのが適切なのでしょうか?

全般的にあごの骨の形成が未発達な「一期治療」から始めたほうが、歯列の移動が容易なため成果が出やすい傾向にあります。三歳ごろから治療をスタートさせることは可能ですが、一般的には下顎の前歯が生え揃う小学二年生頃(一期治療)が最適な年齢だと考えられています。

歯の生え方やあごの成長の仕方によっては、大人になるまで治療を放置してしまうと、顔の歪みや咀嚼能力・発音の障害、顎関節症などさまざまな健康リスクが増大してしまう場合もあります。したがって、なるべく早い時期に検診を受け、歯科医にご相談されることが大切です。

早期の矯正治療が必要なケースについて

もし、お子さんに噛み合わせの乱れた「不正咬合」の症状が確認される場合は、健康リスクだけでなく将来的なコンプレックス解消のためにも早期での矯正治療が必要です。

とりわけ、以下のようなケースでは、「一期治療」をすることでより大きな成果を上げることが出来るでしょう。

【反対咬合(受け口・しゃくれ)】
受け口やしゃくれとも呼ばれ、上あごの成長が不十分であったり下顎が過剰に成長したことで歯の噛み合わせがアンバランスになってしまうケースです。

噛み合わせたときに上の歯より下の歯が前に突き出た状態となり、見た目の悩みを抱える方も多いです。

成長期に放置すると、さらに下顎が発達した「骨格性下顎突出」という難しい症例に進行してしまい、前歯を早期に喪失してしまう可能性もあるため、早期の治療開始をオススメいたします。

【交叉咬合(すれちがい咬合・クロスバイト)】
上下の歯を噛み合わせたとき、前歯もしくは奥歯の何本かがクロスしてしまうケースです。

すれちがい咬合やクロスバイトとも呼ばれ、成長期の前に治療を開始しないと下顎が曲がって顔が歪んでしまったり、片方の顎だけに負担がかかって他の疾患を引き起こしてしまう危険性があります。

なかなかお子さん本人では気づきにくい症例でもあるので、定期的に病院・クリニックで検診されると良いでしょう。

【開口】
上下の歯が噛み合わず開いてしまっているケースです。

他の不正咬合に比べ見た目はそれほど目立たないため、治療を怠ってしまうことも少なくありませんが、もっとも噛み合わせがわるく、顎への大きな負担から顎関節症を誘発しやすい症例でもあります。

お子さんが無意識のうちに舌を突き出してしまうクセが習慣になっていることで引き起こされることがほとんどですので、早期に歯科医にご相談されることをお勧めします。

あごの骨の成長を適切にコントロールし、生え変わりの永久歯を正しい位置に移動させることが出来るのは、成長期を迎える前の「一期治療」に限られます。

上記の症例以外でもお子さんの歯並びや噛み合わせ、咀嚼能力、呼吸に関して気になることがあれば、カウンセリングだけでも構いませんので、なるべく早い段階で一度歯科医師に診てもらうことをお勧めします。

子どもの矯正治療のメリットとデメリットについて

「矯正治療は、成人してからでも遅くはないのでは?」と思われる親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、子どもの矯正治療は成人矯正に比べて数多くのメリットがあります。

とりわけ、子どもの発育を治療に援用できる「一期治療」にはさまざまな利点がありますが、ここではその代表的なものについてデメリットも含めて簡潔にまとめてお話します。

お子さんに矯正治療を受けさせるか検討中の方や、歯列矯正のリスク面ばかりが気になって治療に踏み出せない方にも、ぜひ目を通していただきたい内容になっています。

【メリット】
・治療期間を短縮することができる
・顔のバランスが整う
・あごの成長をコントロールすることが出来る
・抜歯や手術の可能性が減る
・将来的な虫歯や歯周病のリスクが下がる
・大人になってからの矯正治療が必要なくなる

(解説)
お子さんの骨格や歯並びが成長段階である「一期治療」の大きなメリットの一つは、永久歯の生えるスペースを確保しつつ、あごの成長をコントロールすることで歯並びの移動がスムーズになり、結果として「二期治療」の治療期間が短縮されることです。早期から適切な治療を行えば、抜歯や手術をせずに歯列や顎骨のバランスを整えることが可能で、大人になってからの矯正治療も必要なくなります。

噛み合わせや歯並びが整うため、虫歯や歯周病の将来的なリスクが大きく軽減されることもまた大きな魅力です。

「歯列矯正」というと、ワイヤーが露出して見た目が悪いというイメージを持たれる方も多いかもしれません。

現在の矯正治療は、外見上の改善も著しいものがあり、ワイヤーを舌側(歯の裏側)に取り付ける「裏側矯正」や、装置が透明で目立たない「マウスピース矯正」があります。これらを選択することで、周囲を気にすることなく治療を完了させることが出来るよう、配慮がなされています。

お子さんのコンプレックスの解消に繋がることも、矯正治療のプラス面と言えるでしょう。

【デメリット】
・治療が長期にわたるケースも
・装置によっては虫歯の可能性が高まる
・症例によっては治療への努力が必要

(解説)
メリットが多くある子どもの矯正治療ですが、上記のようなデメリットがあることも事実です。お子さんの症例によっては、あごの骨のバランスを整える治療を継続的に行う必要があり、その場合は成人の歯列矯正より長い期間を要する可能性があります。

また、「ワイヤー矯正」を行う場合、ブラケット(矯正装置)のまわりに汚れや食べかすが溜まりやすいため、虫歯や歯周病を予防するためには、丁寧な歯磨きを怠らないことが大切です。

他方、装置を取り外すことが出来る「マウスピース矯正」を行う場合、装着時間をきちんと守らないと適切な効果が発揮されず、治療が長引いてしまうことがあります。

いずれにせよ、歯列矯正でより良い成果を得るためには、治療をするお子さん自身の協力が必要不可欠です。

今回ご紹介したメリット・デメリットを手引きに、疑問点や不安な点は病院・クリニックの初診相談を受けてみると良いでしょう。小児矯正は、将来的なお子さんの美容と健康に深く関わる医療行為ですので、深く納得した上で信頼のおける矯正治療をスタートされることをお勧めします。

なお、矯正の種類や値段に関しては別の記事で詳しく解説していますので、そちらをご参照ください。

この記事を書いた人

オルソペディア編集部

オルソペディア編集部です。矯正関する知識やコラム、お役立ち情報など様々な記事をお届けします。

カテゴリー: 治療の方法治療中のお役立ち情報

タグ: 子供 矯正治療の豆知識

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