治療について

矯正ってどういう種類があるの?

更新日:2021/01/30

矯正治療の種類 歯列矯正の種類いろいろ

いろいろなタイプの治療がある現在の歯列矯正。

いざ「矯正治療をやってみたい!」と思っても、自分にとってどの治療法がベストなのか分からず困惑されている方も多いのでないでしょうか。

そこで今回は、矯正歯科病院・クリニックで行われている主な治療法をまとめてご紹介。

歯列矯正の種類は、「治療する時期」「装着する器具」「治療する部位」の三つの観点から分類されることが多いので、それぞれ簡潔に解説していきます。治療選びの手引きに、ぜひご活用ください。

治療する時期による名称

小児矯正
小児矯正のイメージ

その名前の通り、子どもの矯正治療のことを指し示す呼び名です。小児矯正には、あご骨の柔軟性と高い適応能力が矯正治療に大きな改善効果をもたらし、発育にともなう歯並びおよびあごの移動が成人に比べ容易であるというメリットがあります。

成人矯正
成人矯正のイメージ

歯列の矯正治療は、「ジュニア世代(小学生〜高校生くらい)の子どもたちがするもの」という考え方が主流だった時代に生まれた呼び名で、大人が行う矯正治療のことを指し示したものです。

シニア矯正

成人矯正が一般的なものになった昨今では、60歳以上の方が矯正治療を行うケースも珍しくなく、そうした状況から生まれた呼び名が「シニア矯正」です。

「若いうちによっておけば……」と年齢を理由に矯正治療を諦めてしまう声も耳にしますが、現在の医療テクノロジーでは矯正治療の可否に年齢はほとんど無関係であり「歯周病でなければ何歳からでも矯正治療は適用可能」です。

治療内容は、患者さんの口腔内の状態によってプランが変化いたしますので、一度、病院・クリニックでカウセリングを受けてみると良いでしょう。

装着する器具による名称

ワイヤー矯正
ワイヤー矯正

歯の表面に板状の装置「ブラケット」を取り付け、それをワイヤーで繋ぎ、時間をかけて歯並びを変えていく方法です。

「矯正治療」という言葉から思い浮かぶ一般的なイメージは、おそらく金属製の素材を使用したこの「ワイヤー矯正」でしょう。

矯正中にワイヤーが目立ってしまうことがデメリットでしたが、現在では審美的な観点から大きな改善がなされ、生活していても装置が目立ちにくい透明なプラスチック製、歯と同じ色のセラミック製によって治療することも可能です。

また、ワイヤー矯正は歯の表面につけるか裏側につけるかで「表側矯正」「舌側矯正(裏側矯正)」に名称が分かれます。「舌側矯正」には、ワイヤーが内側に隠れるため矯正が目立たない審美的なメリットがあります。

マウスピース矯正
マウスピース矯正

ワイヤーを使用せず、マウスピースを装着することで歯並びを整えていく矯正治療の方法です。

「目立たない」「痛みがない」「取り外しができる」マウスピース矯正のメリットは非常に大きなものがあり、患者さんの評判もよくとても人気の矯正治療です。その治療のバリエーションも豊富で、矯正治療の世界に革命を起こした「インビザライン・ジャパン社のマウスピース矯正」「キレイライン」などさまざまなな種類のものが生まれています。

確認しておきたいマウスピース矯正治療のデメリットは、飲食のたびに装置を取り外す必要があること。

というのは、着色や変形、破損を防ぐため食事の際はマウスピースを装着することが出来ないからです。飲み物にも注意が必要です。コーヒーやワインといった色のあるものを口にするときは外さなければなりません。飲食の後には歯磨きが必要なため、普段外食や間食の多い方には少し手間のかかる治療法と言えるかもしれません。

また、1日20時間以上の着用時間が推奨されており、装着している時間が短いと適切な効果が発揮されず治療が長引いてしまうこともあります。

床(しょう)矯正
床矯正

ワイヤーマウスピースを使用せず、着脱可能な入れ歯のような「床(しょう)矯正装置」を装着することで歯並びを改善する治療の方法です。

取外し可能であり、歯列を徐々に拡大していくため、抜歯をせずに治療を完了することができる大きなメリットがある一方で、乳歯と永久歯が混在した子ども世代中心の治療であり、成人されている方は症例によっては適用出来ないことも多いというデメリットもあります。

治療する部位による名称

部分矯正(MTM)

部分的に治したいところだけ治療するものです。とりわけ、人目につく前歯の治療を希望される方が多いのが特徴です。

比較的安価で気軽、治療が短期間である反面、適用可能な歯並びの状態は限定され、「部分矯正」が出来る治療とできない治療があります。

全顎矯正(全体矯正)

すべての歯に矯正装置を付けることで、全体的な歯並びを改善することを目的とした矯正治療です。患者さんが「部分矯正」を希望されても、噛み合わせや歯のスペースの問題から、どうしても「全顎矯正」に変更せざるを得ない治療ケースもあります。

「部分矯正」か「全顎矯正か」という治療部位の選択は、おそらく多くの患者さんが、悩まれる問題ではないでしょうか。

近年は、その手頃さから前歯を中心とした「部分矯正」が人気ですが、患者さんの歯並びの状態(ガタガタの歯並びである叢生)や改善したい症状(ガミースマイル・口呼吸・外見のコンプレックス)によって適切な治療法は変わってきます。

ぜひ、一度お気軽に病院・クリニックにまでご相談されてみると良いでしょう。

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オルソペディア編集部

オルソペディア編集部です。矯正関する知識やコラム、お役立ち情報など様々な記事をお届けします。

カテゴリー: 矯正治療の方法

タグ: 矯正の種類

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