病院の選び方

チェーン店と個人院どっちがオススメ?

チェーン店と個人院どっちがオススメ?

全国で約7万箇所ある歯科医院。

“歯医者“と言うと、個人の歯科医師が独立して開業した病院・クリニックを思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、現在の歯科医療では、一つの母体(主に医療法人)が全国各地に複数の病院・クリニックを展開するグループ経営を行っているケースも少なくありません。

もっとも、グループ経営といえど、商業とは異なり歯科医療は利潤追求をその目的とするものではありませんが、身近なイメージとしてはフランチャイズのチェーン店のような形態を想像してもらうと分かりやすいかもしれません。

それでは、いざ矯正治療をスタートさせるにあたって、チェーン店と個人店のどっちを選んだらいいのか?

ここでは、患者さんの立場から見たそれぞれのメリットとデメリットについてご説明します。

個人店のメリットとデメリット

メリット

・独自のこだわりや治療プランを提供することができる

・かかりつけ医の治療も可能

・オールラウンドな技術を持つ医師が多い

・アクセスの良い病院・クリニックを見つけやすい

デメリット

・質の高い矯正治療を受けられない(矯正歯科の看板を掲げている一般歯科のケース)

・転院が気軽にできない

解説

個人経営の病院・クリニックによる治療の大きなメリットは、開業医の独自のこだわりを発揮しやすく、そこでしか受けることの出来ない施術を受けることが出来る点です。

チェーン店による治療は、画一的なものなりがちな傾向がありますが、個人経営の場合は、医師の得意とする領域や技術のいかんによって、一般的には治療が困難な症例であっても対応可能と診断されるケースもあります。

その反面、苦手な症例もあるので、患者さんにとっては、担当医との相性が見極めのポイントになります。

また、歯科医院のグループ経営化・医療法人化は、一般の診療所に比べてまだそれほど進んでいないのが現状です。そのため、自宅や職場からのアクセスを基準にして病院・クリニックを考えたとき、個人経営の病院・クリニックの方が見つけやすいという選択肢の多さもそのメリットとして挙げられます。

個人店を選択されるケースとして多いのが、かかりつけ医のいる病院・クリニックで矯正治療をスタートされる流れです。

この場合、虫歯や歯周病と並行して矯正もしてもらえるという利点があります。

ただし、かかりつけ医のいる歯科医院が矯正専門の病院・クリニックではなく、一般歯科で矯正歯科の看板を掲げているケースでは、注意が必要です。

多くの場合、矯正専門のドクターはアルバイト勤務であり、歯列矯正に関しての経験が不足している一般の歯科医師が処置を行うことが少なくありません。

そのため、質の高い矯正治療を希望される場合は、なるべく矯正専門の病院・クリニックを受診させることをお勧めします。

矯正歯科と歯科の違いについては、こちらの記事をご覧ください。

もう一つ、必ず確認しておきたい個人店のデメリットは、引っ越しや転勤に伴う転院が気軽にできないことです。

個人経営の病院・クリニックでは、治療引き継ぎのための資料・データ提供は有償になることが多く、転院先の医院でも再び矯正治療費がかかります。

そのため、矯正治療には定期的な通院が必要ですが、なんらかの事情で通っていたクリニックに通えなくなり転院が必要になったとき、費用においても時間においても患者さんに大きな負担が発生することになります。

チェーン店のメリットとデメリット

メリット

・グループ内ならば状況に応じて転院可能

・サービスが充実している

デメリット

・担当医が常勤でない場合、予約が取りづらい

・画一的な治療になっているケースも

解説

グループ経営を行っているチェーン店の大きなメリットは、グループ内での転院を気軽に行えることです。

個人店では、治療の移行にはさまざまな手間とコストが発生しますが、グリープ経営ならば、治療状況・診察データの共有、担当ドクター間の申し送りなど、転院に関するあらゆる情報の共有を円滑に行うことができます。

そのため、グループ内での転院ならば、また転院に関わる追加コストがかからない歯科医療グループも多く、結婚・転勤・御引っ越しの際も安心して治療いただけます。

なお、近年は、医療機関の複合施設化が新しいトレンドにもなっており、リザクレーションルームやキッズルームなどの需実した施設を持ち、ひいては皮膚科や内科医院や整体、ネイルサロンといった美容施設を併設することで患者さんに多様な接遇サービスを提供する、これまでない歯科医院の形を探求している医療グループもあります。

確認しておきたいチェーン店のデメリットとしては、一人のドクターが複数の系列店で診察をすることが多く、担当医が非常勤である場合は、予約が自由に取りづらくなってしまう点です。

また、患者さんの診療時間やプランがシステマティックに定められていることも多く、残念なことに流れ作業のような治療になってしまっている病院・クリニックも散見されます。

歯列矯正をスタートされる際は、必ずカウセリングを受けて医師や医院の雰囲気を確認した上で、最終的な判断をするように心がけると良いでしょう。

まとめ

軒数が多いため、アクセスの良い病院・クリニックを見つけやすいことは、個人店の大きなメリットです。

ただし、患者さんが治療の途中で転院される場合は、経済的にも時間的にも大きなコストが発生するため、転勤・結婚・御引っ越し等を検討されている方は、チェーン店の病院・クリニックを選択されることをお勧めします。

また、質の高い矯正治療を希望される方は、個人店であるにせよチェーン店であるにせよ、歯列矯正専門の病院・クリニックを受診されることがとても大切です。

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