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アデノイドで開咬になる?

アデノイドとは

鼻の突き当たりの一番奥の部分で、鼻からのどに移行する部分の上咽頭にあるリンパ組織のかたまりです。このアデノイドがさまざまな原因で大きくなることを「アデノイド肥大」と呼び、鼻や耳に様々な症状を引き起こします。

アデノイドによる悪影響

アデノイド肥大が生じると、急性中耳炎や鼻声、鼻づまり、口呼吸、いびき、睡眠時無呼吸などの症状を引き起こします。
急性中耳炎を繰り返すと慢性化しやすく、さらに慢性副鼻腔炎なども合併する可能性があります。
このような症状が長く続くと、口を開けて舌を突き出した顔つきの「アデノイド顔貌」になる場合があります。
アデノイド顔貌は、顔貌の変化だけでなく歯のかみ合わせにも影響し、主に叢生や開咬などの症状を引き起こします。

アデノイドで開咬になる原因

画像提供:大宮SHIN矯正歯科

アデノイドで開咬になる直接的な原因は、アデノイド肥大に伴う「口呼吸」です。
アデノイドは鼻腔と繋がっているため、アデノイドが肥大すると鼻呼吸がしにくくなり、口呼吸が習慣化してしまいます。

この口呼吸の症状が長期的に続くと、唇や口腔内の筋肉のバランスが崩れ、歯列が狭くなり、舌が正しい位置ではなく常に低い場所に位置するようになります。舌が低い位置にあると、ものを飲み込む際に舌を突出する異常な嚥下癖がおこり、開咬が引き起こされます。

アデノイドで開咬になったらどうしたらいい?

画像提供:大宮SHIN矯正歯科

開咬の症状が見られる場合は、まず歯科医院を受診し、開咬の原因を明らかにすることが大切です。
アデノイド肥大による口呼吸が原因であれば、アデノイドの治療も行わなければなりません。

ただし、歯科ではアデノイド肥大の治療はできないため、耳鼻科での治療になります。
一般的に10歳ぐらいでアデノイド自体が小さくなっていくので、アデノイド肥大の症状が軽症の場合は経過観察で大丈夫です。

風邪などの急性の炎症でアデノイドが一時的に腫れているような場合は、炎症を抑える薬の服用や点鼻薬で症状を軽減することができます。
しかし、風邪の症状が治っても口呼吸が続いたり、中耳炎や副鼻腔炎、呼吸障害や睡眠時無呼吸などの合併症を生じている場合は切除手術が必要になります。

開咬の治療法は?

歯科での開咬の治療は矯正治療だけでなく、MFT(筋機能療法)と呼ばれるトレーニングも併用して行うことが非常に大切です。
舌や唇などの正しい動かし方と正しい位置の指導を、治療の初期段階からしっかり行うことで、矯正治療後も歯並びが安定しやすくなります。
開咬は奥歯への負担が大きく、将来的に歯を失う原因にもなりかねません。

お子さんの鼻詰まりや口呼吸、いびきなどの症状が続く場合には、できるだけ早く耳鼻科を受診し相談してみましょう。
早めに対策することで、アデノイド肥大による開咬を事前に防げるかもしれません。